Account of a voyage of discovery to the west coast of Corea, and the Great Loo-Choo Island : with an appendix, containing charts, and various hydrographical and scientific notices | ||||||||||||||
ホール 『朝鮮・琉球航海記』 東アジアの交易中継地として発展していた琉球王国は、16世紀、ポルトガルの対日貿易の開始とともに西洋に知られるようになった。17世紀になると東アジア諸国の鎖国政策により、琉球の対西洋関係も制限されるが、18世紀にはヨーロッパ諸国による科学的な太平洋探検が活発化し、さらに19世紀初頭になると西洋の東アジアへの勢力拡大のなかで、中国・日本の間に位置する琉球は歴史の渦に巻き込まれてゆく。 本書は、18世紀末から19世紀にかけて北太平洋や東アジアの探検航海が進むにつれ、外国艦船の琉球来航も増えた中、イギリス海軍の Basil Hall (1788-1844) による記録である。ホールはイギリス海軍ライラ号の艦長として、1816年にアマースト卿の中国使節団に随行し、同使節を中国に送り届けたのち、朝鮮、琉球を訪問して本航海記を著した。ここには、西洋人の観察眼を通して、琉球の自然、風俗、生活習慣などが、うつくしい図版とともに、興味深く描かれている。巻末には当時琉球で話されていた語彙なども収録されており、たいへん興味深く、学術価値を含む。西洋の琉球との交流史を紐解くうえで貴重な一書である。 なお、著者であるHall は、日本研究家で東京帝国大学教授だったバジル・ホール・チェンバレン(Basil Hall Chamberlain, 1850-1935)の祖父である。 |
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